妊娠後期(33週)胎児発育不全の鍼灸治療 | 症例報告
妊娠後期の胎児発育不全に対する鍼灸治療を先日経験した。
結論から言うと一週間で体重が1750gから2150gへと400g増加した。
期間は33週から34週にかけてで施術回数は3回だった。
n=1の症例なのでしがない鍼灸師の個人的体験ではあるが同じような状況で悩んでいる妊婦さんに向けて何かヒントになればと思い記録として記事にした。
妊婦さんの状況
山田さん(仮名)は3年前に妊活で当院へ通われていました。その際は妊娠してから出産までの期間も鍼灸でサポートさせてもらった経緯があります。
今回久しぶりにご連絡いただいたのは第二子妊娠33週のタイミングでした。
再診時のヒアリングでは仕事や上の子の育児で自分自身の睡眠や食事や休息などはおろそかになっているとの事でした。
鍼灸師としての考察
腹診よりお腹のはりや位置は数週と照らし合わせて特に問題なさそうな印象。脈は全体的に弱く、通常この週数であれば両尺中の脈が伸びるはずだが伸び率が悪い。五臓六腑では胃腸を主る脾の見どころが一番バランスを崩している。
具体的に言うと陽気が足らず脾胃の働き自体も落ちている。つまり吸収率も悪そうである。
また食事のとり方や内容を細かくヒアリングすると明らかに栄養不足を感じる。
たまたま本人のスマホに血液検査のデータがありそれも見せてくれた。立場上数値を踏まえてのアドバイスはできないが明らかにエネルギー不足だ。
各項目で最も気になった点は血糖値だ。空腹時血糖78、A1Cは5.0だった。改善するためにしたこと
まず本人には帰宅後すぐに飯を食べるように伝えた。一日三食食べてはいたが圧倒的に糖が足りていない。
必ず糖を40g以上取るように勧めた。本当はもっともっと取ってほしかったがいきなりは厳しいとのご意見だったので最低ラインでこの提案に至った。
ここで注意したいのは糖質量であり炭水化物の総量ではないことを伝えておきたい。
ご飯であれば110g相当が糖質40gほどだ。
この基準で白米でもパスタでもパンでもなんでもよいからとりあえず糖を赤ちゃんにどんどんあげなきゃ!と伝えた。
鍼灸としてはとにかく脾胃の働きを高める施術をおこなった。いくら口から入れても消化吸収のフェーズがうまくいかなきゃスルーで意味がない。
今回はとにかく時間との闘いなので自宅でセルフのお灸もガンガンおこなってもらった。
注意点について
今回は脾胃の陽気の低下と明らかな糖の不足が原因だったと推測する。
胎児発育不全と言っても初期と後期では違う。
妊娠高血圧や糖尿があっても違う。
違えば対策も違うのであくまでも今回の症例はn=1の症例である事を繰り返し述べたい。
必ず信頼できるドクターや鍼灸師に相談してほしい。
もしあなたが小田原市にお住まいならよしかい鍼灸院にご相談ください。
でわ。